2016年11月14日月曜日

お耳に合いましたら

こんにちは。カナーンドッグのヒトミです。

オリジナル曲を作って、それを人前で披露すると、「いいね」と言っていただくこともありますが、もちろん「ぜんぜんよくない」と言われることもあります。「もう二度と聴く気はないよ」的なこととかね。
あと、すぐに直せるような指摘ならいいけど、そもそも直しようのないこととかは、やる気をかき立てられるどころか、ただ単に落ち込むだけですね(笑)

皆にいいとは思われないことぐらい、わかってはいるつもりなんですけどね。
自分だって、いいと思えるものは思えるし、逆にいいと思えないものはどれだけいいと思いたくても思えないもの。
それは上手下手だけではなくて、センスの問題で、好みが合う合わないもあると思います。
でもやっぱ苦労して作ったもんですからね、やっぱり一喜一憂しちゃいます。
辛口の批評をされればへこむし、ちょっと褒められれば、いとも簡単に浮かれます。

最近、そもそもなんで苦労してオリジナルを作って、それを人に聴いてもらおうと思うのかなぁと考えていたんです。
で、気付いたんですが私の場合、
例えば日常で、そんな大ごとじゃなくても、何か心に残るような出来事が起こった時に「あ、この感じ誰かに話したいな。でもこのニュアンスわっかるかなー。あ、あの人ならもしかしてわかってくれるかなぁ。今度あの人に会ったら話してみよっかな。」って思うのに似てるな、と。

つまり、何か自分の気持ちとか、目に映った印象的な情景とか、自分にしかわからないかもしれない、でもわかる人にはわかるかもしれないっていうビミョーーな感じを、気の合う人に、なるべく大げさにせず、でも淡々とじゃなく、時々例え話なんか織り交ぜながら、イメージが伝わるように喋って、「あっ、わかるわ~そういうの。」って言われて安心するっていう感じ。
わかります?(笑)
まったく理解されなさそうな人にはそもそも話そうと思わないですね。だってセンスのあまりに違う人に話してもキョトーンだろうし。
できれば自分と気の合いそうな人に聞いてもらいたいと思うけど、意外と通りがかりの知らない人がたまたま聞いてて、興味持って立ち止まって熱心に聞いて「わー奇遇だな。実は私も同じようなこと思ったことあるんですよ。」なんて言われるとけっこう嬉しかったり。知り合いでも、意外な反応が面白かったり。

私は本や小説は書けないけど、たまに小説読んでると、あら、世の中にこんな同じような感覚を持っている同類?同志?っていたのかとビックリすることがあるんですよ。

音楽はさらに、どういう音楽がかっこいいと感じるかっていう、これまで聴いて育ってきたものとか、美学というか、趣味嗜好がもろに出るので、好き/嫌い、理解できる/できないがハッキリわかれますよね。
私はわりと色んな音楽を雑食的に聴く方だと思うけど、それでも「これはぜんっぜんわからん」っていうものもありますからね。
だから、万人ウケする曲なんて無いとは思うんですけど、だからこそ、「かっこよかった。」と声をかけてくれたり、CDをもらいに来てくれたりすると、何か救われたような気になるんです。
あ、この感じわかってくれる人がメンバー以外にも世の中にいてくれるんだ、という。

あと、あまりお世辞とか言わない知り合いの方から、初めてお会いする方へ私のことを紹介してもらう場面で、「この人はカナーンドッグっていうバンドでドラムをやっていて、このバンドがまたええバンドなんよ。」ってさらっと言ってもらった時に、人知れず目を潤ませてじ~んとしておりました。

個人的に頭に浮かんだ色んなことを、外に出して一曲として苦労してまとめて、それをメンバーの力を集めて育てて、そうやって仕上げた曲を「我々こんな音楽けっこうおもしろいと思ってやってて、例えばこんなこと思ってますねん。」と人に投げかけてみる。そこに「それわかる。」と返ってきたらもう、それまでの苦労とか葛藤はどっか行って、やっててよかったなと思っちゃう。
それで、ついつい、もっと他の人にも聴いてみてもらおうかな、となるんですね。
そしたらまた「ぜんぜんダメ」って言われてガーンってなることもあるんだなー。

だからとにかく、
お耳に合わなかった方は、貴重なお時間無駄にしてすいませんでした。
お耳に合った方は、是非「合ったよ」ということを伝えてもらえれば嬉しいです。