2015年8月12日水曜日

言い訳をしない。

静岡の居酒屋にて。346の名でボトルキープ。
 
こんにちは。カナーンドッグのヒトミです。
この前ブログで書いた「サラバ!」上・下巻、早くも読み切ってしまいました。
ものすごく、面白かったです。そして、すごい作品でした。自分の分身のような“オリジナル”の作品を人に見せていく、ということをあらためて考えさせられもしました。

ここ数日、私とケイスケは静岡にいました。
2人とも静岡での生活が長かったもので、(特にケイスケは静岡出身)静岡で音楽をやっていた期間もあり、連休なんかがあると静岡に帰っては、当時組んでた346っていうバンドの仲間とセッションしたり飲んだり、お世話になってたライブハウスに顔出したりしてるんです。

今回も、またいつもの感じでよくお世話になっていたライブハウスをフラりと訪れた時のこと。
その日はちょうど弾き語りの方々のライブがやっていました。
私たちに気付くと、お店の方は「久しぶり!」と笑顔で迎え入れてくれ、ササッとおつまみなんかサービスしてくれたりしました。
ここのライブハウスで私はドラムでは度々出演させてもらい、ヨニンミマンのライブで初めて私がギターボーカルをやる時も、ここでやらせてもらいました。初のギターボーカルは、緊張しまくってそれは酷い出来でした。

私は色んなことを懐かしく思い出しながら、ステージで弾き語る方の演奏を聴き、お酒も入って徐々にテンションも上がり、ライブを見終わってからお店の方に、
「先日エレアコを買ったんですよ。よかったらまた弾き語りで演らせて下さい。」と何の気なしに話しました。
すると、それを聞いたお店の方はガハハっと笑い、
「エレアコ~?ドラムにしといてよー!う~ん、まぁギターボーカルはぜんぜん期待していないけどね!せいぜいその期待を裏切ってよ。」みたいな感じのことを言ったのです。

ガーーン!!ほわ~っとほろ酔いの状態から、一気に冷や水を浴びたかのように急降下。

その方はもちろん悪気はなく、非常に正直なだけで、
いいライブに対しては身を乗り出して見るけれど、そうでなければ・・・
無邪気な笑顔で辛口のコメントもサラっと言う方です。

たしかに、思い返せば思い返すほど、あの時のライブは酷かった。
私はガチガチに緊張して声が震えていたし、声がまともに出てさえいなかった。
それより何より、最も見苦しかったのは、曲の合間に、
私の本職はドラムだからギターボーカルは臨時でやってることで、本職ではないのだというような言い訳をしていたことなんです。
この場所ならある程度温かい目で、つまり大目に見てくれるだろうという甘えもあったのです。

私は、本来、単純に私の「曲」をステージに上げる為に行ったはずだった。
でも変な自意識?プライド?何かわからないけど、自信が無いこと、実力が無いことを必死で言い訳していました。

そう言えば「サラバ!」の作者、西さんはプロレスとか格闘技を見るのがお好きだそうで、選手は四方八方から人の目にさらされるリングの上で、時に鼻血を出しながらなりふり構わず必死の形相で試合に没頭している。果たして自分自身はそのようなことができているのか?それをチェックする為に観戦に行くのだ、ということをおっしゃっていました。
何かすごい見方ですよね。それで、「サラバ!」は確かに、甘えない、言い訳しない姿勢が感じらる作品だった。
あ、カナーンドッグの曲に、

半端なプライドなんて今は捨てて そのままで覚悟決めて
つまんない言い訳なんて考えずに 当たって砕ければいい

って歌詞があるじゃないですか。私が書いた歌詞じゃん。

もう言い訳はしない。
そう誓った、静岡の夜でした。