2020年12月13日日曜日

ただ者ではない。

 こんにちは。カナーンドッグのヒトミです。

既に何度も話したことがあるかもしれませんが、

わたくし、エスペランサ・スポルディングというベーシストが大好きでして、もう、彼女の美ベース、美声、とてもとても好きで。

この前ベースのレッスンの時、先生に私が「エスペランサ・スポルディングの曲でやってみたい曲があるんです」と言って音源をちょいと流したら、先生、それまでエスペランサの曲をあまり聴いたことがなかったらしいんですが、じーっと聴き入った後「…ただ者ではないな。」と静かにつぶやきました。

そう、エスペランサはただ者ではないのです。

あらためてインタビュー記事とかウィキペディアなんかを見てみたら、まず「ベーシスト」ではなく「マルチインストゥルメンタリスト」って書いてありますね。担当楽器:ボーカル、Wベース、エレクトリックベース、バイオリン、オーボエ、クラリネットとあります…ちなみにライブで見たときは、ピアノも弾いてましたよ。まぁもちろんベースボーカルとして特に有名なんだけど、いやぁ、多才。色んな事できるだけじゃなくて、生み出す作品が独創的で洗練されていて、芯がある。それでいて、ちょっと親しみやすいかわいさ、どこか可憐な感じの魅力がある。どういうこと?(笑)

なんかただただ、その生まれ持っての光輝く才能がうらやましくってしょうがないけど、

でもね、生い立ちを読んでみると、なかなかの苦労人のようです。幼い頃から様々な楽器を習ってはいたけど、決して裕福ではなく生活は苦しかったみたい。奨学金を得て音楽学校へ進んでからも、学校の近くのアパートは高くて借りられず、華奢な体に重いコントラバスを担いで通学する毎日に疲れ果て、ベースをやめたくなったこともあるって言ってました。

だけどさすが、そこはね、それこそ若いうちから「ただ者ではない」ミュージシャンとしてめきめき頭角を現してます。飛び級で早々にバークリー音大を卒業し、当時弱冠二十歳で同学における最年少講師として迎えられたり。あと、やっぱり大物からしっかりと見出されてますね。

パット・メセニーに認められたことや、プリンスと共作を発表したことがきっかけとなって、仕事が増えたみたいなことも言ってました。あのプリンスと一緒に作品作ってたなんて!私は過去にこのブログでも書いたことがあるように、中学の時にプリンスの「Let it go」聴いて衝撃を受けて以来、けっこうプリンスは好きで影響受けてますけど、「We are America」っていう共同制作の曲、恥ずかしながら知らなかったです。

エスペランサがプリンスと接した時のエピソード、これがまたすごくて、ドラマーのジョン・ブラックウェルと一緒にセッションに招待されて、三夜連続で3人で延々ジャムってたら、カウントダウンもせずに年越してたわみたいな(笑)

そんな彼女でも、「過去を振り返ると走って逃げたくなることだってある」と言ったり、「音楽活動でかなりの難題を突き付けられたことが何度かある、でも難しいチャレンジをしたおかげで成長できたと思う」みたいな感じのことを言っているのも読みました。あぁ、最初から完成していたんじゃないんだなぁ、むしろ本人的にはまだまだ発展途上で、常に向上する為に戦っているんだなぁ。

確かに5年前「Emily’s D+Evolution」というエスペランサの来日公演を見た時、私は「そうか、天才が全身、指先まで鍛え上げるとこうなるのか」と思った憶えがあるんです。スター性とか天性の才能だけではなく、「鍛錬による実力」をまざまざと見せつけられた。

現在36歳かぁ。ぜんぜん若いよね。さらにこれからも新しい作品を世に出して、色んな人と仕事して、ますます大きくなっていくんだろうなぁと思います。

はぁ~~…

あっ ごめんなさい、なんかため息出ちゃった。そんでそれをそのまま書いちゃった(笑)

さて、初めの方でも書きましたが、そんなエスペランサの曲のベースを、一曲耳コピして練習し”弾いてみた動画”をアップしました。「Cinnamon tree」っていう曲で、何しろ、美しい曲、美しいベースライン。しかしねぇやっぱり、本人のような滑らかさとか、なんていうの?音の粋な、絶妙な切り方?とても再現できないね。難しい!だけど本当にがんばって挑戦してみて、楽しいベースでした。

よければ見てみてください。

https://youtu.be/pusUTCPBCxc