2018年4月30日月曜日

アルバム制作 中間報告⑦「大詰め!ベストバランスを目指して」

こんにちは。カナーンドッグのヒトミです。

年明けからスタートしました、ヨニンミマンのアルバム制作、今は録音した各パートのミックス作業をしていただいているところです。
それも、仕上がりまであともう少し、という段階まで来ています。

ところでミックスって何なのよ?ということなんですが、①「何それさっぱりわからん」の方も、②「なんとなくわかるけど詳しくはわからない」の方も、③「そんなの今更説明されなくてもよく知ってるし」の方も、まぁここは一緒にお付き合いください。
ちなみに私は、②の「なんとなくわかるけど詳しくはわからない」に該当します。(笑)

すっごいざっくり言いますと、
バンドの演奏って、いわゆるアンサンブルなわけですが、レコーディングも、ホントにライブの時と同じように「せーの!」で全員がいっせいに演奏して、それをリアルタイムで録音しちゃうという方法もあります。それが一番シンプルで、ライブそのまま、という臨場感が出るから、それはそれでいい。
ただそれだと、どうしても録った後に細かいバランス調整とか、タイミングの修正などのエディット、あと部分的に、パートによって例えばギターソロだけもうちょっと納得いくまで何回も弾き直したいとか、ボーカルの歌い方のニュアンスを何パターンか試したいとか、より細かいとこまでこだわって作り込みたい場合には、やっぱりちょっと難しいかな、と。

で、基本的には各パート、別々に録音したものを、あらためて混ぜ合わせるということをするんですね。そう、ミックスです。

それぞれの楽器の録音ですが、一つの楽器に対して1トラックどころじゃなくて、ドラムだけで計何トラック使ってるのかな?ドラマーが演奏してるのを、四方八方から色んな種類のマイクで同時に録音していて、例えばスネアの表面に1本、裏面にもう1本、バスドラに1本、右上方向から1本、左上方向から1本、真正面のちょっと離れた場所から1本とか言う感じで、ビックリするぐらいたくさんのマイクを立てて複数のトラックに録音します。
スネア一つでも、打面や淵にスティックがカタンと当たる音や、それが内部に伝わってターンと響いて出ていく音、他のタイコに共鳴してるような、「音」にならないくらいのもはや空気感まで、微塵も逃すまいと、すごい繊細に音を拾って録っていくわけですね。
・・・録られてる人は、そりゃあもう、緊張するよねぇ。考えただけで。
ちょっと私のギターはそんなよく録ってもらわなくてもいいんですけど(笑)

まぁとにかく、そうやって録った音を、どれをどのくらいのボリュームで聴こえるようにするか。さらに、低音域、中音域、高音域、どんな配合でどんな音色で聴かせるか、はたまた、よく「パンを振る」って言いますけど、ステレオで再生した時に、右・左・真ん中、どの位置から聴こえるようにするのか。後方に居る感じなのか、近くに居る感じなのか。

そうやってエンジニアさんに立体的に編集して一曲全パートまとめてもらった「こんな感じでどうでしょう?」という音源データに対して、バンド側はそれを聴き込んで、相談して、もっとこうして下さいという要望を返します。
例えば「もう少しサビのコーラスを下げてください」だとか、「ドラムのバスドラの低音を少し削って、ライドシンバルのアタック音を少し下げてください」だとか、「ソロ後からエンディングは、バッキングギターをもうちょっとだけ上げてください」とか。それをまた反映してもらって、「ではこんな感じですか?」といただいた音源を聴いて、また「コーラスは少し下げ過ぎた感じがするので、もうちょっと音量的には戻して、他の手法で控えめな感じになるよう馴染ませてください」とか、さらに細かく要望を出して・・・みたいなことを、最終的に「ベストバランス」ってやつに行き着くまで繰り返していきます。

ねぇその「ベストバランス」ってどういうの?って、まぁ、それぞれのパートが他のパートに紛れず埋もれず、でも役割を踏まえて決して出過ぎず、アンサンブルとして聴いた時にちょうど心地よく聴こえるようにって・・・曲によっても違うし、そりゃ、好みもありますよね。実際バンドの中でも見解が分かれることもあります。

いやーこれが大変。独りよがりになってはバンド全体として納得のいく作品とは言えないし、とは言え、各人のイメージってのもあるし、それぞれこだわりポイントがあったりするし。
あ、でも実際にミックスの作業するエンジニアさんがまず大変ですよ。膨大な知識が必要だし、編集ソフトを駆使して、作り手の要望にすばやく応えないといけないですからね。

とにかく、まさに今、ほぼほぼ仕上がり段階、最終調整というところまでは来ています。
「ベストバランス」までもうちょっとかな。

ちなみにですね、ミックスを待っている間、気晴らしに色々とアルバム関連の作り物なんかもしてまして、ちょっとしたグッズを作ったり、あと、セルフライナーノーツも作りました。歌詞の解説ってほどのものではないんですが、収録曲について、作詞者としてコメントをさせてもらいました。
希望の方のみ、お渡ししますので、もし欲しい方はおっしゃって下さい。一応、ネットでも見れるようにはしようと思います。

では、アルバムの仕上がりを、お楽しみに!
またご報告しますね。

2018年4月3日火曜日

アルバム制作 中間報告⑥「回り道して出せる味」

こんにちは。カナーンドッグのヒトミです。

ヨニンミマンのアルバム制作、気付けば第6段です。いよいよ完成間近。
ゴールは近い...ような、とてつもなく遠いような...

3月中に、予定の5曲、全パートの録音は終わりました。今はエンジニアの青木さんにミックス作業してもらっていて、その音源が来るのを今か今かと首を長~~くして待っています。
多分初回のミックスが来てから最終的にまとまるまで、なんだかんだで一ヶ月くらいかかると思います。
ところでミックスって、なぁに?
ってな感じの方もみえると思いますので、ミックスのお話、またあらためて次回にでもしますね。

今回は、CDの顔、ジャケット作りについてお話しします。
カナーンドッグの時も、前回作ったヨニンミマンの無料配布CD「Pictures」も、ジャケットは毎回、勝手ながら私がデザインを考えているんですが、ジャケットにはいつも私が彫った消しゴムハンコの画像を印刷しています。
あ、そこのアナタ、消しゴムハンコて、なんとアナログな!とか、思われました?

たしかに今の時代、実際にチマチマとハンコ彫らなくたって、ハンコ“風”の画像なんてパソコンでもっと簡単に素早く作れるんでしょうね。
でもさー、そこはどれだけ時間がかかっても、やっぱりホントに精魂込めた手仕事を入れていきたいのです。

今回はけっこう大作で、彫らなきゃいけないハンコの数も多かった。いやー多かった。。。
















ハンコの画像だけ見てもワケがわからないでしょう(笑)
一応、彫る前と後はこんな感じってのが、下の画像です。
1コ1コ、下絵を描いてそれを消しゴムに写して、黒い部分を残すように彫っていきます。

Before:消しゴムに図案を写して彫刻刀で彫る前

After:黒い部分を残して彫った後































ていうか何このネジネジ?ってなりますよね。
ネジネジだけ見てもワケがわからないでしょう(笑)
そう、これらのハンコは、この後ちょっと面倒な工程を経ます。
まず実際に黒色のインクつけて紙に押したものを写真撮って、その画像データをパソコンに取り込み、それをパソコンで編集し直します。
背景を透明化し、色を塗り(何せ今回はカラー印刷ですからね!)、大きさを調整し、画像を組み合わせたり、配置したりします。結局けっこうパソコン使うやん。

どうです?このやたら回り道な感じ。
でもね、こうやって回り道してこそ、手作り感と言いますか、独特の味が出るんですよ。

さて、それでは中身が出来上がる前ではありますが、
一足先に完成したジャケットをお見せしますね。
















いぇ~い。こちらが、ヨニンミマンのアルバム「オンガク」のジャケットです。
ジャケットって、収録曲の内容と関連あり過ぎてそのままでも趣が無いし、逆に無さ過ぎても調和が取れずちぐはぐになっちゃうし、バランスが難しいところです。
なんとなく収録曲にも合うような、でも何か別のストーリーが感じられるようなものがいいな、と思って、イメージを膨らめました。

今回の主役は、フレンチブルドッグのヨンタ君。
彼は、おそらく音楽を観賞するという感覚はわからない。ただ、側にあるラジカセから聞き覚えのある音楽が流れてきた時に、記憶とリンクして思い出が甦ることはあるみたい。
ウトウトまどろんでる時には、音楽と一緒に、いくつも夢を見ることがある。(犬って夢見るんですよ)
その夢に出てくるのは、彼が「夢にまで見ちゃうくらい」心惹かれてるもの達です。
例えばお気に入りのテニスボール、何個でも食べたい骨形ビスケット、噛み噛みして遊ぶネジネジおもちゃ、たまに外を通りかかる近所の猫、そして大好きな飼い主の愛用してる手袋。
浮かんでは消えるヨンタの夢に、音楽が合わさっています。
そんなイメージです。
ちなみにジャケットを開くと、歌詞カードになっています。レコーディング風景もたくさん載せました。他にもバックインレイ、帯など、1枚1枚、丁寧に折り目を付けて、重ねて綴じたり、ケースにセットしながら、私は完成を夢見ています。それこそ夢にまで見ています(笑)

そう言えばこの前、CDを予約したいと言ってくれた人の隣にいた方が、
「あ、じゃあ私はそれをCD-Rに焼いてもらおうっと♪」と何気なくおっしゃったのですが、
できれば・・・こういうジャケットも含めて一つの作品と考えていただければ幸いです。

もちろんその方も悪気はないし、今回はアルバムということで1枚1,000円という有料になってしまうもので、たくさんの方に聴いてもらいたい気持ちはあっても、あまり気楽にどうぞどうぞと勧められないのが悩みどころではあります。

だけど簡単にコピーできてしまう時代だからこそ、回り道して、手間暇かけてやっと生み出したものを味わって、楽しんでもらえればありがたいのです。

またご報告しますね!