2018年2月18日日曜日
アルバム制作 中間報告③ 「“あえて”無しで」
こんにちは。カナーンドッグのヒトミです。
さてさて、前回曲の解説をさせていただきました、ヨニンミマンの「One Day」と「サヨナラワルツ」という2曲なんですが、
いよいよレコーディング本番に入り、おかげさまでサクサクと進みまして、今日だいたいのパートについては録り終えました。
どちらも、ドラムではなくカホンの入っているちょっとアコースティックな曲なんですが、
ぜんぜんイメージの異なる曲なので、録り方もちょっと違います。
特に「サヨナラワルツ」については、まぁ一周回って新しい試みと言いますか、今回“あえて”という録り方をしてまして・・・
たいていレコーディングでは、特にリズム隊を録る時は「ピッ ピッ ピッ ピッ」と正確なテンポを示すクリック音に合わせて演奏するもんですが、今回は、“あえて”クリック無しで録りました。
伴奏の基本となるカホン・ベース・アコギの3人が、お互いの動きを見ながら「せーの」で一緒に演奏して、それを同時録音しちゃうというやり方です。手っ取り早いね~。いやいや、手っ取り早いだけではありません。その目的は、今まさに呼吸を合わせてアンサンブルしてる、という「ライブ感」を出すことです。
クリックを聴きながらだとどうしても、クリックに合わせることを意識し過ぎて、自由なノリが出ない。当然、常に基準となるものが無いってなると、テンポが揺れたり細かいズレは生じるんですが、この曲で優先すべきは、そういうタイトさよりも、その一回限りのレアなノリなんですよね。
だから、ちょっとやそっとミスしてても、それも含めて味、ということで、“あえて”部分的に直したりはしないで、何度か一曲通して演奏してみて、いい感じのノリが出てきたところでそのテイクをOKとしました。
この3人の演奏に、ボーカルとかリードギターとか、コーラスを加えて、最終的に一つにまとめます。そしてそのコーラスについては、また次のブログで詳しくお話ししたいなと思ってます。
ふふふ。こちらもちょっと特別な、構想がありましてねぇ。ふふ。
一方の「One Day」はと言うと、こちらは生演奏のノリというよりは、曲のイメージに基づいて、より作り込む感じですね。音数が少ない分、一音一音が結構大事になってくるというのかなぁ。ヨニンミマンの曲の中で、ある意味では最も難しい曲だと思います。
でも、手前味噌ですけど、非常にいい感じに仕上がりつつあります。私がこの曲を作った当初は、まったく想像がつかなかったぐらい、いい曲に育っています。これは本当に、メンバーに感謝としか言いようがないですね。
私が「新しい曲できたよ」と言ってメンバーにデモを渡す時、歌詞があって、メロディがあって、なんとなくのコード進行、大まかな展開やアレンジも含めて「こんな曲ですよ」と出しますが、その時点ではまだまだ未完成の状態です。
そこからメンバーそれぞれが曲を解釈してくれて、それぞれのパートを練ってくれます。
他の楽器との兼ね合いも考えながら、どこにどんなフレーズを入れていこうか、どんな音色で鳴らすか。スタジオで実際合わせてみて、また「ここは足そうか、引こうか、変えてみようか」って試行錯誤しながら。曲が本当の完成に至るまで、それはとても大変な工程だと思います。中でも、やっぱりリードギターは、何も無い状態から曲に合うフレーズを一から編み出して付けますから、一番大変かなと思います。
でもそんなメンバー達のおかげで、私一人では絶対に作れないようなものができています。
色んな音の力があって、曲に広がりが出て、よりよくしてもらっています。
これは単に演奏の上手い下手じゃなくて、感性とかセンスもあると思うので、そういう意味も含めて気の合う人とバンドができているというのは本当にありがたいことです。
そうそう、エンジニアの青木さんのおかげでまたこれがね、いい音で録れてますよ。ここからミックスでバランス整えて色んな効果を加えていただいて、よりよく仕上がるはずです。楽しみだなぁ。
ぜひ、曲を聴いていただく時、歌中心に聴くだけではなくて、そんな音も楽しんでいただけたらありがたいなぁと思います。“あえて”歌は聴かずにリードギター中心に聴くとか、ベース中心に聴くとか、ドラムやカホン中心に聴くとか。そんなこと言うと怒られるかな(笑)
え?実は歌から気を逸らしたいだけじゃないかって?・・・そんなこと・・・無いとは言い切れないですが、まぁ、どうしても皆さん歌ものはいつも歌中心で聴く感じになりますからねぇ。たまには“あえて”歌無しでオケだけに集中してみるっていう聴き方だっていいと思うんですよ。
さあ、途方もないと思っていたけれど、なんだかんだでレコーディングもだいぶ進んできました。
残すは「サヨナラワルツ」のコーラスと、あと一曲バンド編成の曲も、これから録る準備にかかります。
またご報告しますね!
2018年2月11日日曜日
アルバム制作 中間報告② 「似ていない兄弟」
こんにちは。カナーンドッグのヒトミです。1月からやっておりますヨニンミマンのアルバム制作。
今回は中間報告 第二弾です。
今ちょうど、アルバムの中に収録する「One Day」と「サヨナラワルツ」っていう2曲のプリプロ(本番の前に自分達だけで試しに録音してエンジニアさんに渡す音源)を作っています。
2曲とも、ドラムではなくカホン、私もエレキではなくアコギを弾くという、ちょっとアコースティック寄りな編成になっています。
実はこの2曲、生まれはほぼ同時期。と言うのも、もともとぼや~っとしたおぼろげなテーマを、だんだん糸口つかんでいって、少しずつ見えて来たぞ、いや、まだわからない、あ、またちょっと見えたぞ・・・いやまだだ・・・と苦悩しながら作り進めて行ったら、途中で自然に2曲に分かれていって、ぜんぜん曲調の違う作品にそれぞれ仕上がったという、お得なような、おかげで苦労が2倍になったような、そんな、似てない兄弟みたいなもんなんです。
そのおぼろげなテーマっていうのが、
・・・あ、曲のテーマを話すなんて、無粋なことしようとしてますかね?私。
多分こういう曲作りの裏話みたいのを話すこと自体、ダメだっていう人もいて、曲をシンプルに味わってもらうには、その背景とか苦労話とかそんなものは全く知らない状態で、何の偏見も持たず聴いてもらわなきゃって言う人だっていると思います。
けど、えっと、例えば私の場合、ウイスキーが好きなんですけど(←2018年からハマった新しい趣味)、
ウイスキーの製造工程を知ることでより興味が深まったり、スーパーニッカっていうウイスキーは、ニッカウヰスキーの創業者 竹鶴政孝が最愛の妻リタが亡くなった悲しみを乗り越える為、開発に没頭しブレンドを完成させ、そのボトルは「立派な衣装を着せてやりたい」と探しに行った各務クリスタルのガラス工房で一目ぼれした手吹きのボトルを採用した、なんてことを知ると、また味わいが変わってくるってもんです。
なーんつって。あーだこーだが長かったですね、すいません。
それで、結局気にせず話しちゃいますと、この2曲の出発点となったテーマは・・・何と言うか、
日々の落ち込んだりわりと平気だったり持ち直したり、みたいな変動は誰でも普通あると思うんですけど、
辛いを通り越して疲れ果てて、もう完全に「しーん」ていう空白にまでなってしまった時、周りの「早く元気になってほしい」という優しさとか期待に応えられない時期がある。
そこからまた「そろそろ歩きだそう」と起き上がるには、自分が思い立つというきっかけしかない。ただ、自分の力だけが大事と言いたいんではなくて、やっぱり心の拠り所となる色んな人とか、場所とか、音楽とか、との巡り合わせに救われてるということ。つまり「浮上」と「ご縁」ですね。
あら、よくよく考えたらテーマ2つやんか、と。
で、2曲に分かれて、まったく違うテイストの曲になったわけです。
「サヨナラワルツ」は、何故そんなタイトルにしたかと言いますと、ライブの最後なんかで、
「じゃ、ここはしんみりせず明るく、短い曲やって帰ります!」って感じでカラっと終われる曲にしたいなと思って、小さい頃見ていた教育テレビの、「おかあさんといっしょ」のラストに流れる、にこにこぷんの「さよならマーチ」みたいな感じの雰囲気にしようと思ったんです。
それで、作ってみたらなんと3拍子だったので、「サヨナラワルツ」としました。
今回、アルバムにも最後に収録しようと思っています。カラッと明るくね。
一方の「One Day」ですが、こちらはとにかくたっぷりと、可能な限りスローに、間延びしないギリギリのところまでテンポを落として、静かにじっと自分自身と向き合うような曲にしたかった。その分、音数も少ないので、緊張感が半端無いです。やだーもう、我ながら難しい曲作ったもんです。
そんな感じで、ちょっと今回はアルバム制作の中間報告と言いつつ、曲解説になってしまいました。
え?実はスーパーニッカについて語りたかっただけじゃないかって?
そ、そんなことないですぅ・・・け、決して・・・でも、もしかしてそのうち、音楽的な話題の割合が徐々に減っていって、ただのウイスキーブログに変わってたらすいません。
「One Day」と「サヨナラワルツ」のレコーディング本番は来週17日なので、実際の録音風景なんかも紹介しながら、またご報告しますね!
今回は中間報告 第二弾です。
今ちょうど、アルバムの中に収録する「One Day」と「サヨナラワルツ」っていう2曲のプリプロ(本番の前に自分達だけで試しに録音してエンジニアさんに渡す音源)を作っています。
2曲とも、ドラムではなくカホン、私もエレキではなくアコギを弾くという、ちょっとアコースティック寄りな編成になっています。
実はこの2曲、生まれはほぼ同時期。と言うのも、もともとぼや~っとしたおぼろげなテーマを、だんだん糸口つかんでいって、少しずつ見えて来たぞ、いや、まだわからない、あ、またちょっと見えたぞ・・・いやまだだ・・・と苦悩しながら作り進めて行ったら、途中で自然に2曲に分かれていって、ぜんぜん曲調の違う作品にそれぞれ仕上がったという、お得なような、おかげで苦労が2倍になったような、そんな、似てない兄弟みたいなもんなんです。
そのおぼろげなテーマっていうのが、
・・・あ、曲のテーマを話すなんて、無粋なことしようとしてますかね?私。
多分こういう曲作りの裏話みたいのを話すこと自体、ダメだっていう人もいて、曲をシンプルに味わってもらうには、その背景とか苦労話とかそんなものは全く知らない状態で、何の偏見も持たず聴いてもらわなきゃって言う人だっていると思います。
けど、えっと、例えば私の場合、ウイスキーが好きなんですけど(←2018年からハマった新しい趣味)、
ウイスキーの製造工程を知ることでより興味が深まったり、スーパーニッカっていうウイスキーは、ニッカウヰスキーの創業者 竹鶴政孝が最愛の妻リタが亡くなった悲しみを乗り越える為、開発に没頭しブレンドを完成させ、そのボトルは「立派な衣装を着せてやりたい」と探しに行った各務クリスタルのガラス工房で一目ぼれした手吹きのボトルを採用した、なんてことを知ると、また味わいが変わってくるってもんです。
なーんつって。あーだこーだが長かったですね、すいません。
それで、結局気にせず話しちゃいますと、この2曲の出発点となったテーマは・・・何と言うか、
日々の落ち込んだりわりと平気だったり持ち直したり、みたいな変動は誰でも普通あると思うんですけど、
辛いを通り越して疲れ果てて、もう完全に「しーん」ていう空白にまでなってしまった時、周りの「早く元気になってほしい」という優しさとか期待に応えられない時期がある。
そこからまた「そろそろ歩きだそう」と起き上がるには、自分が思い立つというきっかけしかない。ただ、自分の力だけが大事と言いたいんではなくて、やっぱり心の拠り所となる色んな人とか、場所とか、音楽とか、との巡り合わせに救われてるということ。つまり「浮上」と「ご縁」ですね。
あら、よくよく考えたらテーマ2つやんか、と。
で、2曲に分かれて、まったく違うテイストの曲になったわけです。
「サヨナラワルツ」は、何故そんなタイトルにしたかと言いますと、ライブの最後なんかで、
「じゃ、ここはしんみりせず明るく、短い曲やって帰ります!」って感じでカラっと終われる曲にしたいなと思って、小さい頃見ていた教育テレビの、「おかあさんといっしょ」のラストに流れる、にこにこぷんの「さよならマーチ」みたいな感じの雰囲気にしようと思ったんです。
それで、作ってみたらなんと3拍子だったので、「サヨナラワルツ」としました。
今回、アルバムにも最後に収録しようと思っています。カラッと明るくね。
一方の「One Day」ですが、こちらはとにかくたっぷりと、可能な限りスローに、間延びしないギリギリのところまでテンポを落として、静かにじっと自分自身と向き合うような曲にしたかった。その分、音数も少ないので、緊張感が半端無いです。やだーもう、我ながら難しい曲作ったもんです。
そんな感じで、ちょっと今回はアルバム制作の中間報告と言いつつ、曲解説になってしまいました。
え?実はスーパーニッカについて語りたかっただけじゃないかって?
そ、そんなことないですぅ・・・け、決して・・・でも、もしかしてそのうち、音楽的な話題の割合が徐々に減っていって、ただのウイスキーブログに変わってたらすいません。
「One Day」と「サヨナラワルツ」のレコーディング本番は来週17日なので、実際の録音風景なんかも紹介しながら、またご報告しますね!
2018年2月4日日曜日
アルバム制作 中間報告①「苦戦のギター録り」
こんにちは。カナーンドッグのヒトミです。
カナーンドッグではないんですが、私がギターボーカルをやっているヨニンミマンっていうバンドで、
今レコーディングをしています。今回も四日市のスタジオエチュードで、エンジニアの青木さんに録音段階から付いていただき、ミックス・マスタリングまで一貫してお願いしています。
去年の年末ぐらいから準備にかかって、年明けから本格的に始動し、おそらく・・・けっこうなペースで頑張っても、4月ぐらいまではかかりそうな見込みです。
何せ、新たに5曲録って、これまでに録り貯めた3曲も加えて、8曲入りのアルバムにまとめようという構想ですから。そりゃもう、時間かかりますよ。
ですのでその間、ライブのお誘いをいただいてもなかなかお応えできない状態です。
とにかくまずはレコーディングをしっかり終わらせて、作品が完成すればそれを持ってライブに出て行こうと思っています。乞うご期待!Coming soon!・・・あ、soonとはちょっと言えないですが。
さて、完成するまでに何度か、その中間報告をさせてもらおうかなと思うんですが、
今回は第一弾。
今ほぼ一段落したのが、バンド編成の2曲、「歩いて帰ろうか」と「この夜を」っていう曲です。
まず最初にドラムのカケル君とベースのクズヤさんがクリックを聴きながら一緒に演奏して同時録音しまして、それらを聴きながら私のバッキングギター、次にケイスケがリードギター、その後私のメインボーカル、クズヤさんのコーラス、というふうにだんだんトラックを重ねていくわけですね。
私は今回、ドラムは叩かず歌とバッキングのギター担当ですけども、
今のところ喉の調子は、花粉症もまだだし風邪も引かず、悪くないです。
問題は私のギターですね。
私、まだまだギターはたいして弾けない、弾けてないっていう自覚がありまして、
こんなちゃんとしたレコーディングでくっきりハッキリクリアに録音されて、繰り返し繰り返し再生されると思うと、まぁ気後れして、緊張するのなんの。
録音の時はヘッドホンでみんながじ~~~っと私のギターに集中して耳を傾け、
「あ、そこ。変な音鳴りました。」とか
「あっここです。弾き切れずに途切れてます。」とか
「あぁーここ、音が濁ってます」とか。
「うん、弾けてないですね。」とか(笑)
はいもう一回、はいもう一回と、一通り弾き直したり部分的に直したりしながら、問題の箇所をつぶしていくんです。そんでその問題箇所が多いのなんの(恥)
まぁ私のギターに限らず、他のどのパートでも同じなんだけど、
レコーディングとなるとね、完璧な演奏を録りたいってことを重視するあまり、全体通してのノリが失われても困るんで、あまり細かく直し過ぎるのもよくないし、ある程度「生演奏」としての味は残したい。
だから少しぐらいヨレていても人間味があっていいじゃない、とか、ちょいと粗削りでも勢いの出てるテイクを採用したりすることもありますけど、それでも普段よりはやっぱりシビアになりますよね。
特に「この夜は」は私の「ツンツンツンツン・・・」ていうそんなに歪ませてないブリッジミュートとドラムのみで始まる曲なんですが、私のブリッジミュートがあまりにも残念で愕然とされまして、最初のレコーディングの日は「これじゃダメだよ」と録り始める前に不合格になり、後日あらためて出直してくるってことになりました。その日はホントに、いっそのことプライドをかなぐり捨てて他の人に弾いてもらおうか一晩悩んだぐらいです。
まぁ一応、下手なりにがんばって自分で弾きます、と決心しリベンジすべく、練習は、一生懸命しました。けど、、、残念なのはあまり変わらなかったですけど、なんとか自分で弾いて録り終えました。
(まぁ・・・バカ正直に言いますと、どうしても弾き切れてなかったり余分な音が鳴ってるところは、部分的に切ったり貼ったりしてテクノロジーで整えたりお掃除していただいたんですけども。)
そんなこんなで、徐々に完成に近づいております。
と言っても、全工程から考えるとまだまだ先は長いんですよ。
先の2曲はミックス作業を進めてもらいつつ、次、ちょっとアコースティックな感じの曲を2曲、再来週レコーディングの予定です。
昨日はその練習で最終的な確認と、具体的にどういう風に録り進めて行こうかとか、メンバーと打ち合わせしまして、なんかすごく面白い、良いものが出来そうな予感です。
また、報告させてもらいますね!